遺影についてお教えします

終活全般

 終活の一環として、ご自身の生前中に「葬儀の準備」をされる方が増加しております。
その葬儀の備えの中でも「遺影の準備」は欠かせないことの一つです。

 そこで今回は、「遺影」について詳しく解説したいと思います。

 遺影とは、故人を偲ぶために作られる写真もしくは肖像画のことです。
葬儀の際に祭壇に飾るために作成し、葬儀の後は、自宅の後飾り檀や仏壇の近くに代々飾られることが多いようです。
遺影の発祥は、日清日露戦争で戦死した者の肖像写真や写真画を供養のために座敷などに飾ったことが契機となり遺影写真に用いられるようになったと言われております。

 従来の遺影は、フレームは漆塗りの黒で、写真は着物を着たモノクロのものを使用することほとんどでしたが、「冷たい印象がある」や、「白黒だと固くてかしこまった印象がある」などといった理由から、ここ最近では、フレームの色は自由となり、写真の色についても、一昔前は「遺影写真は白黒で」というのが一般的でしたが、カラー写真を使用するのが主流となっているようです。

「遺影のサイズについて」
 遺影のサイズは、通常、葬儀の際に祭壇に置いたり出棺時に遺族が持ったりするための四つ切サイズ(新聞紙1ページの4分の1程度)と、仏壇用のLサイズ版(89×127mm)の2つを用意することが一般的です。

勿論、遺影のサイズは自由に決めることができますが、祭壇に飾ることを考えると余りに小さすぎると参列者が見えづらくなるので注意が必要です。

 遺影に使用する写真は、出来るだけご本人が大きく写っている写真を選ぶ方がいいですが、もし小さな写真であっても、最近の写真加工技術が進歩したおかげで、葬儀社の方で画像の質を出来るだけ落とさずに遺影用に引き伸ばしたり、背景の処理を自然な感じにすることが可能となりました。

遺影にするなら、下記のような写真を選ぶと良いでしょう。
〇できるだけ故人のお顔が大きくはっきりと写っている
〇故人の人柄が分かるような写真
〇故人がカメラ目線で写っているもの
〇デジタルデータの場合は、画像容量が小さいものはNG 
〇服装は、故人に合った服装のもの

「遺影に使う撮影時期について」
 高齢の方の場合、あまり若いころの写真を遺影にすると違和感がありますので、できるだけ亡くなった時期に近い時に撮影した写真を選んだ方がいいですが、長い闘病の末に亡くなられた方の場合は、辛い闘病中に撮られた写真を無理に選ばずに、1~5年くらい前のご本人が元気だったころの一番見慣れた写真を選ばれると良いでしょう。

「生前にご自分で遺影を準備しましょう」

 最近では、終活をされる方が増えたことで、自分の死について準備する風潮が広まっており、生前のうちにプロの業者に頼んで遺影用の写真を撮影し、ご自身で納得のできる遺影を事前に準備している人が増えているようです。

細かいサービス内容は業者によって異なりますが、髪のセットやメイク、衣装のレンタルなど全てプロにお任せし、アドバイスを受けながら好きなポーズで撮影してくれます。
撮影後はさらに画像の加工もしてもらえますので、納得のいく1枚を準備することができます。

 遺影は、ご自身が亡くなった後、葬儀からずっと残り続け、ご家族だけでなくあなたを知らない人たちも見続けることになる、あなた自身をイメージする大切な写真となりますので、生前のうちに納得のいく遺影を準備しておくことをおススメします。

今回は、「遺影」について解説させていただきました。
皆さまが終活を進める上で、ご参考になさってください。

終活のすすめでは、常に最新の終活情報を掲載していきますので、定期的に記事などチェックしていただけると幸いです。
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