「終活でやるべきこと」わかりチェックシート!

終活チェックシート

最近、マスコミなどで取り上げられることが多くなった「終活」ですが、「終活として何をやっておくべきか」について明確に分かっている方は多くないと思います。

そこで、終活を始めようと考えている方のために、『終活でやるべきこと』を、分かりやすくジャンル別に質問(チェックリスト)形式でまとめてみましたので、確認しながら終活を進めてみてください。

1、エンディングノートは書かれましたか?

エンディングノートは書かれましたか?

エンディングノートとは、万が一に備えて、健康なうちにご自身の希望や想いを整理し、事前に家族やまわりの人々伝えたいことを書き留めておくノートや手紙のことをいいます。
エンディングノートには正式な形式はありませんので、市販のノートに書かれてもいいですし、WordやExcelを使って作成するのもいいでしょう。

エンディングノートは、最初から全ての項目について書こう思わず、少しずつ書けるところから書き始めていきましょう。

エンディングノートに書き残こしておきたい項目は主に下記になりますので、チェックしてください。

ご自身の情報を書きましたか
名前、生年月日、住所、本籍地、血液型、住民票コード、マイナンバー、基礎年金番号、健康保険証、パスポート(保管場所)、保有している資格、メールアドレス(アカウント情報)、趣味や特技、食べ物の好み、学歴、職歴、夫婦の記念日、幼少期から各年代の思い出、特技や趣味、人生の経緯など
関係する人物の連絡先は書きましたか
家族、兄弟、親戚、養子、家系図、友人、知人、職場関係者、法的関係の相談者など
契約関係について書いておりますか
水道・ガス・電気などの契約情報、電話やスマートフォンの契約内容、パソコンのプロバイダー情報、インターネット関連(SNSやWebサービスを利用している方)の会員情報(ID・パスワード)、SNSなどの会員の場合は退会をするかやメッセージを残すかなど
財産のことについて書いてありますか
預貯金(口座番号)、インターネットバンキング用のIDなど、公共年金に関する情報(基礎年金や加入した年金の種類)、企業年金や個人年金情報(加入の有無・年金の種類)、公共料金などの自動引き落とし情報、クレジットカード情報、電子マネーやポイントカード、各種加入保険、有価証券や金融資産、不動産、借入金やローン、骨董品、貸金庫の有無など
※資産に関することを記入する時は、エンディングノートを紛失した場合を想定して記入しましょう。
⇒万が一紛失した場合、銀行口座の暗証番号やクレジットカード番号などを全て記入しておくと、他人に不正に利用されてしまう恐れがあります。記入する内容は、あくまでも、家族に存在を伝えられる範囲の情報として、資産などの詳細情報は、別の安全なところに記載しておくことをおススメします。
遺言書について書いてありますか
遺言書の有無、それらの保管場所、形見分け、遺言書を依頼している弁護士の情報など
葬儀の希望について書いてありますか
宗派や宗教、戒名や法名、希望の葬儀の規模(一般葬、家族葬、一日葬など)、葬儀業者や会場、互助会など、遺影写真、参列者リスト、喪主に頼みたいこと、一緒に火葬して欲しいものなど葬儀の希望
※葬儀の生前予約(契約)をされておられる場合は、葬儀の予約先の葬儀会社の情報や、予約(契約)している葬儀の内容や生前予約の契約書の保管場所などについて書き残しておきましょう。
お墓について書いてありますか
埋葬を希望する墓地、お墓を生前建墓している場合は詳細内容(墓地名や契約条件など)、希望の埋葬方法、墓地の継承者について、供養方法や手入れ、お供え物の希望など
介護や医療の希望について書いてありますか
希望する医療・介護施設、費用、後見人の希望(財産管理などを任せられる人)、延命措置、臓器提供、献体について、介護や治療方針と決定者指定、常用している薬、アレルギーについてなど
ペットについて(ペットを飼われている方)書いてありますか
ペットの年齢、ペットの食べ物の好み、ペットの持病、誰に飼って欲しいか、散歩の頻度や行きつけのペットショップ、かかりつけの病院など
メッセージは残してありますか
家族や友人に対し、感謝の言葉や最後に伝えたいことなどメッセージとして残しましょう。文字や写真、動画として残すのもいいでしょう。
エンディングノートを書かれている場合、その存在や保管場所などご家族に伝えておりますか
エンディングノートを作成した場合、『エンディングノートがあること』をご家族が知らないと、折角作成したエンディングノートの内容をご家族が知ることができませんので、ご家族には、『エンディングノートの存在』と『保管場所』を忘れずに伝えておきましょう。

エンディングノートを書くことで、自分が伝えたい思いや終活ですべきことなどが自然に分かってきます。

2、遺言書は作成してますか?

遺言書は作成してますか?

ご自分の死後に、遺されたご遺族同士が遺産のことなどで争わないように、自分の死んだあとの財産の処分やその他のことについて「遺言書」を作成しておくことは大切です。

遺言書は、書き方が法律で決まっており、書き方を間違うと遺言書として認められなくなってしまいますので、弁護士などの専門家に相談しながら作成することをおススメします。

遺言書の作成について、注意することは主に下記になります。

「誰に」「何を」「いくら」相続させるか、決めていますか
遺言書は、法律に則った正式な形式になっておりますか
遺言書を作成している方は、遺言書の存在や保管場所などを家族に伝えていますか
遺言書の保管や執行を弁護士に依頼している場合、その弁護士のことをご家族に伝えておくことが大切です
家族に負の遺産(ローン残金や借金)が残る恐れはありませんか
負の遺産があった場合は、相続の放棄など含め対策をしておりますか
各種クレジットカードや銀行口座、有価証券や不動産など、資産の有無を家族に伝えておりますか

※資産情報の有無は、エンディングノートに書き残しておいてもいいでしょう

※遺言書を作成した場合、『遺言書を残していること』をご家族が知らないと、折角作成した遺言書の内容を実行することができませんので、エンディングノートと同様に、ご家族に『遺言書の存在』と『保管場所』を忘れずに伝えておきましょう。

3、亡くなった時に入るお墓はありますか?

亡くなった時に入るお墓はありますか?

あなたが突然お亡くなりになった場合、お墓の準備は遺されたご家族にとって、大きな負担となります。
生前にお墓を建てることで、ご家族の負担が軽減できることと、墓地の場所の選定や石材やお墓のデザインなど、ご自身が納得できるお墓を建てることができます。
また、生前に建てられたお墓は「祭祀財産」となるため、相続税が免除されるので、節税対策にもなります。

終活の一環としてお墓についてやっておくべきことは、主に下記になります。

お墓(供養の方法)は、準備されておりますか
先祖代々のお墓や、新たなお墓の建墓、永代供養墓や納骨堂の申込みなど
お墓の準備がまだの方は、納骨希望のお墓や納骨堂など決めておりますか
納骨希望のお墓がある方は、お墓の資料請求やご見学などしておりますか
お墓(供養の方法)の希望を、家族に伝えておりますか
先祖代々のお墓や、新たに建てた墓、希望のお墓・墓地や霊園、納骨堂、散骨や手元供養など
お墓が準備できていない方は、お墓購入のための資金の備えは十分ですか
お墓の場合、誰に管理・承継して欲しいか決めておりますか
また、管理して欲しい人に、その旨を伝えておりますか
お墓にはどなたと(先祖・家族・配偶者・一人など)入りたいか、ご家族に希望を伝えておりますか
法要やお墓参りの頻度や供養の希望などについて、ご家族に希望を伝えておりますか
お墓を新たに建てる(購入する)場合、供養スタイルについて確認しておりますか
お墓の継承者が必要なのか?や、永代供養なのか?など

※生前に墓を建てることは様々なメリットがありますが、交通のアクセス面や「バリアフリーになっているか?」など、将来ご家族がお墓参りに来る際に不便が無いように細かく想定してチェックすることと、墓地の管理状態や管理・運営する事業主体の経営状態も、事前に確認しておく必要があります。

4、葬儀の準備はお済みですか?

葬儀の準備はお済みですか?

葬儀の準備は、遺されたご家族にとって、短期間で非常に多くのことを選択・決定しなければならず、心身ともに大きな負担となってしまいます。
そこで、ご自身が希望する葬儀の形式や規模、参列して欲しい人のリストなどを生前に決めておくと、遺されたご遺族の葬儀の負担が大幅に軽減されます。
そのような理由により、最近では、ご自身が生前の元気なうちにご自身で葬儀を契約される、生前契約(予約)をされる方が増えているようです。

葬儀についてやっておくべきことは、主に下記になります。

葬儀の希望は決めておりますか(一般葬・家族葬・密葬・自然葬・生前葬など)
葬儀の内容(喪主、葬儀会場や規模、内容や金額など)を詳細を決めておりますか
葬儀の参列者は決めておりますか
また、参列者を決めておられる場合、連絡先を家族に伝えておりますか
希望の葬儀社や葬儀場、宗派やお寺(僧侶)、戒名の希望などを家族に伝えておりますか
葬儀会社に生前予約しておりますか
また、予約している場合はご家族に伝えておりますか
葬儀のための費用は用意できておりますか
遺影は用意できておりますか
一緒に火葬してほしいものはございませんか
ある場合は、ご家族にそのことを伝えておりますか

なお、葬儀の生前契約で料金の支払いをする場合は、葬儀会社の倒産などのリスクがありますので、葬儀後に費用を支払うか、もしくは生前契約時に信託会社を利用するのが安心です。 

※生前に葬儀を予約した際は、頼んである葬儀会社や葬儀の内容予約(契約)内容を明記した契約書の保管場所などを、ご家族に伝えておくことも忘れないようにしてください。

5、ご自宅(身の周り)の整理はお済みですか?

ご自宅(身の周り)の整理はお済みですか?

ご自分が他界した後に、遺されたご遺族が相続問題や自宅問題などで困ったり争ったりしないよう、生前中に住空間や持ち物、財産などで不要なものを整理しておきましょう。
不要や家財道具や荷物などを整理することで生活スペースが改善され、安全で健康的な生活を送ることができます。

なお、生前整理の対象は、不用品や財産などだけではなく、人間関係もその対象となります

終活として生前整理でやっておきたいことは、主に下記になります。

ご自宅の遺品となる家財道具や持ち物などをきちんと整理して、不用品は処分しておりますか
遺品になるべき物ついて、「誰に」「何を」譲りたいか具体的に決まっておりますか
決まっているようでしたら、リストにして記録に残しておきましょう
遺品・遺産についての明細は、財産目録としてまとめてありますか
コレクションなど誰に譲りたいか、もしくは、どのように処分して欲しいか、家族に伝えておりますか
秘密に隠しているものやパソコンの中身など、「誰にも見られたくないもの」はありませんか
もし、あるようでしたら、その処分についてどなたかに頼んでおりますか
生前整理は、物品やデータだけに限らず、人間関係についても整理しておりますか

『生前整理』の作業は、お一人もしくはご夫婦でやることが多いと思いますが、ご家族や業者に頼むとスムーズに生前整理することが可能となります。
また、生前整理をご家族と一緒にやることで、思い出や情報の共有をすることができます。

なお、生前整理をする場合、お亡くなりになったときにご遺族が困らないように、必要なものは保管する部屋を決めておき、誰にでもわかるように仕分けしておくことが大切です。

6、医療や介護の備えはしておりますか?

医療や介護の備えはしておりますか?

将来、病気などが原因でご自分で判断ができなくなった時に、医療の判断を誰にして欲しいか、介護や介護の判断を誰にどのようにして欲しいかや、介護や見守りなどをどうして欲しいかなど、医療や介護についての希望を事前に家族へ伝えておきましょう。

終活として、医療や介護についてやっておきたいことは、主に下記になります。

「かかりつけ医」は決まっておりますか。
決まっている場合は、かかりつけ医の連絡先などご家族はご存知ですか
医療や介護に必要な「費用」や「制度」など、お分かりになっておりますか
医療や介護に必要な「費用」の準備や、「(医療・介護)施設」の利用計画は立てておられますか
もし突然倒れた場合、医療機関へスムーズに搬送される準備はされておりますか
「余命宣告」「臓器提供」や「延命治療」「検体」を希望されますか
希望される場合は、ご家族に伝えておりますか
介護が必要となった場合、「誰に」「どこで」「どのような」介護をしてもらいたいですか
また、その希望をご家族に伝えておりますか
臨終の時は「誰に」「どこで」最後を看取って欲しいですか
また、その希望をご家族に伝えておりますか
老人ホームなどの様々な介護施設について調べておりますか

※医療や介護についてはデリケートな面もありますので、ご家族に直接伝えずらい場合は、エンディングノートなどに記載しておくことをおススメします。

7、現在ご加入の保険で、老後の万が一の備えは十分ですか?

現在ご加入の保険で、老後の万が一の備えは十分ですか?

最近の、中高年(50歳以上)を対象にしたシニア保険は、簡単な手続きだけで加入でき、保障の対象も葬儀費用専門の「葬儀保険」や介護に備えるための「介護保険」など多種多様化してきております。

ご自身に万が一のことが起こった時、現在加入の保険だけに頼らずに、ご家族への負担を軽減するために、50歳以上でも加入できるシニア保険に加入することで介護に備えたり、葬儀費用やお墓代などの死後の整理に必要となる資金を確保することを検討してみましょう。

保険について、終活としてやっておきたいことは、主に下記になります。

もしもの時に備えて、「医療保険」や「生命保険」に加入しておりますか
現在ご加入の保険で、保障の内容は十分ですか
保険の見直し(再チェック)はされましたか
保険に入られている場合、ご家族にその存在や証書などの保管場所は伝えておりますか

8、終の棲家のお決まりですか?

終の棲家のお決まりですか?

『終の棲家はご自宅にしたい』と考えておられる方が多いと思いますが、ご自宅で最期まで快適で安全に過ごせるようにするためには、ご自宅をバリアフリーにする必要があります。

ご自宅が未だバリアフリーでない方には、介護保険から住宅改修費を20万円まで支給してくれる「高齢者住宅改修費用助成制度」という介護サービスがありますので、対象の方はご利用をご検討ください。

なお、最近では、「介護で家族に迷惑をかけたくない」や「設備が整った施設だと必要な介護サービスを受けられるから安心」という理由で、「終焉は介護施設で迎えたい」という高齢者が増えてきているのも事実です。
そのような方は、元気なうちに老人ホームやサービス付き高齢者住宅などの高齢者向け施設への入居を検討し、事前に見学などされることをおススメします。

終の棲家を決めるために、終活としてやっておきたいことは主に下記になります。

「終の棲家」をご自宅にするか、もしくは施設にするのか、決めておられますか
「終の棲家」をご自宅にする場合は、お住まいの住環境はバリアフリーになっておりますか
お住まいをバリアフリーにする際の助成金制度(高齢者住宅改修費用助成制度)はご存知ですか
「終の棲家」を施設にしたい場合は、どの施設にするのか決めておられますか
「終の棲家」を施設にしたい場合は、事前に施設見学などしておりますか
「終の棲家」を施設にしたい場合は、入居費用や維持費など資金は準備しておられますか

9、老後資金は万全ですか?

老後資金は万全ですか?

終末期になってお金で困らないように、老後の生活資金を計算して蓄えておくことと、葬儀やお墓などに必要な費用を準備しておくことが大切です。

もし、十分な貯えが無く年金支給額が低額の場合は、老後資金の用意のために、新しく高齢者向けにできた融資制度の「リバースモーゲージ」や、都道府県の社会福祉協議会がおこなっている「生活福祉資金貸付制度」などの活用も検討してみましょう。

老後の資金について、確認しておくべきことは主に下記になります。

老後の生活に必要な資金を算出し、その資金は用意できていますか?もしくは、用意できる方法や見込みはありますか
受給が可能な補助金の制度や、税制上の優遇措置など確認・周知していますか
高齢者向けに、生活資金の融資制度(リバースモーゲージ)があることをご存知ですか
老後の生活資金に不安がある方は、「リバースモーゲージ」の利用を検討されましたか
都道府県の社会福祉協議会がおこなっている支援制度、「生活福祉資金貸付制度」についてご存知ですか
老後の生活資金に不安がある方は、「生活福祉資金貸付制度」について、自治体の福祉課に相談されましたか

社会福祉協議会がおこなっている「生活福祉資金貸付制度」は、低所得者や高齢者を支援する福祉の制度で、様々な人々が支援対象となっておりますので、生活に困ったときや将来が不安になったときは、ぜひ、自治体の福祉課に制度の利用についてご相談されることをおススメします。

10、行きたい場所への旅行はお済ですか?

行きたい場所への旅行はお済ですか?

老後になり、「一度訪れてみたかった人気の観光スポット」や「思い出の土地や場所」などを巡る旅行に出かける高齢者が増えているようです。

旅先で美しい自然や情景と触れ合い、美味しいものを食べたりすることで、ストレスが低下し心の落ち着きを取り戻すことができます。
また、日常生活から離れ、自分の人生を振り返り、最期の日の迎え方についてなどをじっくり考えることも、終活を進める上で大切なことの一つです。

最近では、車椅子で行けるバリアフリー重視のツアーや、介護の有資格者(介護ヘルパーや介護福祉士)や、医師・看護師が同行する旅行プランも国内・国外を問わず多く見受けられるようになり、健康不安のある人や介護が必要な高齢者も安心して旅行ができるようになりましたので、「身体が不自由なので旅行は無理」と諦めていた方も、旅行を積極的に検討なさってみてください。

終活の一環として旅行をご検討される場合は、下記の点についてご確認ください。

行きたい場所や思い出の場所へ旅行に行かれましたか(心残りはございませんか)
旅行に参加する場合は、余裕のあるゆっくりとした行程になっておりますか
介護付きのバリアフリーの旅行企画も多数ありますが、ご存知ですか
また、その旅行について確認したことはありますか
葬儀体験や終活講座付きなど、様々な終活ツアーがありますがご存知ですか
また、その旅行について確認したことはありますか

上記のチェック項目は、あくまでも終活をする際の参考になさってください。

全てのチェック項目を実行する必要はありませんですし、他にも終活で必要だと思ったことがありましたらご自身でチェックリストに追加してください。

なお、終活全般に共通して言えることは、終活として行うことは、「最後まで自分らしく暮らすため」と、「遺されるご家族の負担を減らすため」に行うということです。

また、終活で準備したことが無駄にならないように、終活として準備している内容を事前にご家族に知らせておくことが大切です。

以上、「終活でやるべきこと」をジャンル別でまとめてみました。

「終活としてやるべきこと」をジャンル別に分け明記した、『終活チェックシート』を下記に添付しますので、プリントアウトしていただき、終活をされる際にお使いください。