閉眼供養についてお教えします

墓地・霊園

 新らしくお墓を建てたときや、仏壇を新しく購入したときなどに行う供養のことを「開眼供養(法要)」といいますが、逆に、お墓を閉じる墓じまいをする時やお墓を改葬(移転)する際に行う供養を「閉眼供養(へいがんくよう)」といいます。

 今回は、この「閉眼供養」とは、どういう意味を持ちどんな事を行うのかなど、詳細について解説したいと思います。

 従来、お墓やお仏壇、位牌などは開眼供養をしているので魂が宿っていると言われています。 
「閉眼法要」とは、お墓からご遺骨を出す場合や仏壇やご位牌を処分する際に、そのお墓やお仏壇に宿っている魂を僧侶に抜いてもらう仏教の儀式のことで、「魂抜き」や「お性根抜き」とも呼ばれております。
開眼供養と同様に、僧侶を招き読経してもらことで魂が抜かれ、お墓や仏壇はただの「もの」になり、安心して処分や移動を行うことができるようになります。
 
 なお、開眼供養を行わない浄土真宗では、閉眼供養も行わず、代りに遷仏法要という法要を行います。

 閉眼供養を行う時期は、墓じまい(改葬)や仏壇を処分する前に、業者が作業する数日前に先立って行われことが多いようです。

閉眼供養の流れ
閉眼供養を行うときの流れは、主に下記のようになります。

『事前準備』
1、ご家族に相談し、承諾を得ておきましょう
・お墓を新しくしたいや、お墓を移動したいと思ったら、まずはご家族や親せきに「閉眼供養したい」旨を相談し、承諾を得ておきましょう。

2、お寺・僧侶に相談しましょう
・開眼供養をしてくれたお寺と、僧侶に「閉眼供養したい」旨の相談しましょう。
なお、寺院墓地を利用し墓地のあるお寺と菩提寺が違う場合には確認が必要になります。
また、宗派によって準備するものが違うので、事前に確認をとることが大切です。

3、石材店に連絡しましょう
・新しいお墓をを建てる場合や、古いお墓を処分してもらう場合にも、石材店や専門業者の協力が必要です。

4、お墓の掃除
お墓は、今までご先祖様の魂が眠っていた場所ですので、閉眼供養後に処分する場合でも、感謝の気持ちを忘れずに心を込めて掃除することが大切です。

『当日』
5、 供花や供物をささげる
・持参してきた供花や供物をお供えしましょう

6、閉眼供養の儀式(僧侶の読経ほか)
・お墓またはお仏壇の前で、僧侶にお経を読んでいただきます。
※ご遺骨を取り出す場合は、石材店も立ち会います。

7、開催者・参列者が順にお焼香
・参列者全員で順番に線香をしてお参りをします。

8、会食場で会食 
・閉眼供養が済んだら会食の席を設けるのが一般的ですが、しない場合もあるようです。
会食の時に、僧侶に感謝の気持ちを伝え御布施を渡します。

閉眼供養のお布施について
 開眼供養のときと同様に、僧侶に感謝の意をこめてお布施をお渡しします。
閉眼供養のお布施の相場は、地域や宗派によって違いますが、1万円~5万円ほどが相場のようです。
金額が不明な場合は、お寺や僧侶に相談してみましょう。

 お布施は、会食の時にお渡しするのが一般的ですが、もし、会食をしない場合や僧侶が会食を召し上がらない場合には、お布施と一緒に御膳料もお渡しします。
御膳料の金額は、5千円~1万円が相場のようです。

 また、寺院の墓地以外で閉眼供養を行うために、僧侶にお墓まで出向いてもらう場合は、御車代を包むのが一般的です。
こちらの金額も、5千円~1万円が相場のようです。

 閉眼供養は、あまり馴染みのない供養ですが、今後、さらに少子高齢化が進み、お墓を守る人が少なくなり墓じまいをしなければならなかったり、地方から都市へ移住したことでお墓を改葬(移動)しなければならないなど、閉眼供養をする機会が増えてくることが予想されます。

 お墓や仏壇には、今までお参りや供養してきたご先祖さまやご家族、親族の想いが込められておりますので、もし閉眼供養をされる場合は、これまでの感謝の気落ちを丁寧に込めて行うことが大切です。

 本日は、「閉眼供養」について解説させていただきました。
皆さまが終活の一環として、墓じまいや改葬される時に、ご参考にしていただけると幸いです。
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