仏壇を持つことの、メリットとデメリット

仏壇・仏具

 従来は、実家や親族の家には必ず仏壇があり、お盆など親戚一同が集まった時には、仏壇にお供え物もして手を合わせご焼香した記憶がある方が多いと思います。

 しかし、近年の家庭や住宅事情などにより、仏壇を置かないご家庭が増えてきているようです。

 そこで今回は、「仏壇」を置くことで得られるメリットデメリットについて、解説したいと思います。

 仏壇は、仏教的には『家の中に設置するお寺』として考えられおり、仏様(ご本尊様)を祀りします。
また、ご本尊だけでなくご先祖様のお位牌もお祀りし、ご先祖様に感謝し対話する大切な場所と考えられております。

 一昔前は、ご自宅に仏壇は当たり前にありましたが、マンションなどでは仏壇を置くスペースを確保するのは難しなど最近の住宅事情で、仏壇を置くスペースの確保が難しいことや、核家族や単身世帯の増加などで、家族構成が小規模化していることが要因で、仏壇保有率が年々低下しております。

 そのように保有率が低下している「仏壇」ですが、仏壇を置くことで下記のようなメリットが得られます。

ご先祖様への感謝の気落ちが伝えられます
 ご先祖様の供養のためお寺へお参りに行くことは、時間と労力、費用がかかり簡単なことではございません。
ご自宅に仏壇がある場合は、わざわざお墓まで出向かずに、仏壇を通してご先祖様に感謝と祈りを捧げることができます。

 また、子供のころからお仏壇に手を合わせることで、ご先祖様への感謝の気持ちを育むことができます。

心のよりどころとなります
 お仏壇は、仏様をお祀りする壇のことです。
仏様は信仰の対象であり、日ごろの私たちが抱える苦悩を受け止め大きな安らぎを与えてくれます。
仏壇の仏様に手を合わせお祈りしたり読経をすることで、仏様やご先祖様にいつも守られているという安心感が得られ、心のよりどころとなります。

故人と対話が出来ます
 仏壇は、宗教的な祭壇という面もありますが、多くの人の場合、故人を思い出し供養する場所として考えられる方が多いと思います。
ほとんどの方が、仏壇には本尊や仏様だけでなく、故人の遺影や位牌を仏壇に飾り、故人に手と合わせお祀りしているのではないでしょうか。

 仏壇に、静かに手を合わせ故人と会話することで、愛する人を失った失望感から解放され、遺されたご家族の心の落ち着きを取り戻し、生きる勇気を与えてもらえます。

先祖への感謝の気持ちを子どもへ伝えられる
 仏壇に手を合わせお祀りすることで、先祖へ感謝ちを表すことができます。
お子様がいらっしゃる家族では、仏壇に一緒に手を合わせることで、ご先祖は自分たちを見守ってくれている大切な存在であり、常に先祖に対して感謝の気持ちを忘れてはいけないことを伝える場となります。

 逆に、仏壇を置くことのデメリットとして、あえて挙げるとするなら下記のような点になります。

手入れ・掃除が大変である
仏壇をお手入れする場合は、中にある物をすべて取り除き、専用の道具で掃除する必要があり、とても手間がかかり大変です。
お供え物や供花なども定期的に替える必要があり、そのための手間と費用がかかります。

スペースが必要である
 一戸建てでなくマンションにお住まいの場合、通常の大きさのお仏壇ですと置くスペースの余裕が無いケースが多いようです。
また、仏壇は木製の物が多く重厚なデザインが多いために、他の家具の雰囲気とも調和せず相性が悪いということで、仏壇をいらないと感じる人も少なくありません。
最近では、そういった方のために、コンパクトでモダンなデザインの仏壇もあるようです。

 仏壇は、仏様に家族の健康や安全をお祈りしたり、ご先祖様や亡くなられたご家族を供養する場であり、家族の繋がりなどを考えるとても大切な場所でもあります。
 しかし実際には、設置スペースやデザインなどの事情から、ご仏壇を置いているご家庭は減ってきているようですが、最近では、少しのスペースでも置けるコンパクトな仏壇や、様々な生活スタイルに合わせられるデザインの仏壇など、皆さまのご自宅の状況に合わせ選ぶことが可能となってきております。

 また、費用も従来のものと比べお求め易いものもあるようですので、現在、仏壇をお持ちでない方は、ぜひこの機会に、仏壇を置かれることについてご検討されてきてはみてはいかがでしょうか?

 今回は、仏壇のメリットとデメリットについて解説させていただきました。
皆さまの終活を進めるなかで、仏壇の購入についてご検討される際に、ご参考いただけますと幸いです。
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