屋内墓地についてお教えします

墓地・霊園

 最近の都心部を中心に、お墓ための土地が少なくなってきているなどの理由で、「屋内墓地(屋内墓苑)」の需要が急増しております。

 そこで今回は、そんな「屋内墓地」はどういうタイプのお墓のことなのか、その詳細について解説したいと思います。

 屋内墓地とは、その名称の通り屋内にある墓地のことで、近年、お墓の土地不足などに悩む都市部で、墓不足の救世主として急速に需要を拡大させております。

屋内墓地は、屋内に骨壺を安置する「納骨堂」タイプと、墓石のあるお墓を屋内に作る「完全霊園型」の2種類に分けられます。

「納骨堂」
 納骨堂とは、屋内施設型「納骨スペース」に、ご遺骨を個人や夫婦など様々な単位で安置することができるお墓のことで、お墓の継承者は必要なく、納骨堂管理側が永代にわたり供養をしてくれます。

納骨堂のタイプは、主に下記の3つのタイプになります。

仏壇式の納骨堂
 「仏壇式の納骨堂」とは、仏壇が並んだスタイルの納骨堂のことです。
上段に位牌やお供えのものを置くことができる仏壇があり、下段にご遺骨を安置するスペースがあり、複数の骨壺を安置することができるので、一般のお墓のように家族代々のお墓として利用できます
上段の仏壇スペースは利用に制約はなく、基本的に遺影や故人が好きだったお花を飾ったりなど自由に使えます。

 費用は、一区画30万円~となっており、仏壇のグレードや収納するご遺骨数によって費用は異なりますが、費用の相場は30万円~100万円前後となっております。

ロッカー式の納骨堂
 「ロッカー式の納骨堂」とは、ご遺骨を集合している同じ大きさのお壇に安置するタイプの納骨堂のことです。
骨壺だけ安置するのが基本のようですが、施設によっては、位牌やお花などを一緒に置くことができるところもあるようです。
お参りする際は、ロッカーのような棚に収蔵してあるご遺骨を出してもらう場合と、参拝用の御本尊がありそこでお参りする方法など、施設によって異なるようです。。

 予算の目安は、およそ20万~50万円以内が相場で、他の納骨堂に比べて格安になっております。

機械(自動搬送)式の納骨堂
 「機械(自動搬送)式の納骨堂」とは、地下などある納骨室に保管されている故人のご遺骨や遺影などを、登録してあるカードやタッチパネルなどを使用して呼び出すと、合同参拝所や参拝スペースに自動的に運んでくるシステムを導入した、最新式の納骨堂のことです。
ご遺骨の収納数は数百~数万と多数のご安置が可能で、外観や設備が充実している施設が多く、なかにはホテルのロビーのような雰囲気の施設も見受けられます。
施設によっては、タッチパネルの機能でお参りの際に故人のメッセージが聞けたり思い出の写真が見れたりと、従来のお墓参りにはなかった最新のサービスもあるようです。

費用の目安としては、50万円~100万円以上が相場です。

「完全霊園型」
「完全霊園型」とは、施設の室内墓地に墓石を建てるスタイルで、通常のお墓との違いは屋内か屋外かの違いがあるだけ、「墓石式納骨堂」とも呼ばれております。
完全霊園型の墓石式納骨堂では、一般のお墓と同じ様にお墓に水をかけたり花や線香を供えることもできます。
お墓のご遺骨を収蔵するスペースは広いので、普通のお墓と同じように、ご家族やご先祖や親せきなど一族のご遺骨を納めることが可能になっております。

 普通のお墓のように墓石があるため、費用の相場は100万円~数百万円と、他の納骨堂と比べると価格が高いです。

なお、屋内墓地は納骨堂タイプが多く、基本的に永代供養が付いているのがほとんどですが、ここでいう永代とは『未来永遠』ということではなく、ご遺骨の供養期間は、期限(三十三回忌までなど)が定められており、期限がきたらご遺骨は個別に収蔵してあるスペースから取り出され、合祀納骨堂などの合祀スペースに移され供養されることほとんどです。

 屋内墓地は、お墓の土地不足の解消方法として都市部を中心に年々需要が拡大しており、今後ますます利用が増加することが予想されます。
屋内墓地には、様々なメリットとデメリットもあるようですので、次回、ご紹介したいと思います。

 今回は、最近人気の「屋内墓地」について解説させていただきました。
皆さまも、終活の一環としてお墓選びをされる際の選択肢として、「屋内墓地」もご検討なさってみてはいかがでしょうか?

その際は、終活のすすめの記事などご参考にしていただけると幸いです。
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