屋内墓地のデメリットについて

墓地・霊園

 昨日は、交通アクセスが良いところが多く価格も比較的安いということから、最近、需要が高まっている「屋内墓地」のメリットについて解説させていただきました。
 終活を進めていく上で、後悔しないお墓選びをしたい方は、メリット面だけ見て判断するのではなく、デメリット面もしっかり把握して検討する必要があります。

そこで今回は、「屋内墓地のデメリット」について解説したいと思います。

 メリット面が多い「屋内墓地」ですが、デメリットとして考えられえるのは、主に下記の点になります。

墓石の種類やデザインが選べない場合が多い
 屋内墓地の場合、墓石や納骨室のデザインが決まっていることがほとんどですので、墓石の種類やデザインは選べないことが多いようです。
彫刻が入れられるスペースも限られていることが多いので、彫刻を施したいと考えている方は、事前に確認することが大切です。

納められる遺骨の数に限りがある
 屋内墓地の中の納骨堂の場合、納骨スペースが限られているため、ご遺骨の納骨数は1個から多くて4個までの契約となることが多いようです。
納骨数が4個までなら、ご家族のみのご利用でしたら納骨可能かもしれませんが、先祖代々のお墓からの改葬(引越し)ですと、定数以上となり納骨スペースにご遺骨が入りきらず、先祖のご遺骨を1つの骨壺にまとめたり、合祀墓へ合葬する必要があります。
合葬でなく個別で供養したい場合は、新たに納骨スペースを購入する必要があります。

ご遺骨の収納期間の期限がある
 屋内墓地で永代供養が付いている納骨堂では、ご遺骨の収納期間(33回忌までなど)を設けているところが多く、ご遺骨は供養した後に専用スペースから取り出され合祀墓へ埋葬されます。
合祀墓へ移動した後は、他の方の遺骨と一緒に合祀され供養されますので、親族のご遺骨だけへのお墓参りは出来なくなります。
 
 合祀を望まない方は、期間満了時に契約を更新し収納期間を延長する必要があります。
なお、施設によっては期間延長が出来ない場合もありますので、契約される前に事前に確認しておくことが重要です。

伝統的なお墓参りができなくなる
 一般的なお墓の場合は、基本的にはお墓参りの際のお供え物に制限はないので、線香に火を点けて故人が好んでいたものをお供えすることが可能です。
「完全霊園型」のお墓の場合は、一般のお墓と同じようにお参りすることは可能ですが、納骨堂の場合、線香に火を点けたり、施設によっては、お酒や飲み物、食べ物などをお供えすることができないなど、お供えに関して制限されることがありますので、従来の伝統的なお墓参りができない可能性があります。

 なお、納骨堂の施設によっては、お参りをする場所が専用でなく共用になっていることもありますので、参拝に関しては事前に施設に確認しておくことが大切です。

建物の老朽化や災害に不安がある
 日本は地震大国のため、万が一大地震が起きた場合、屋内墓地は建物の中にあるため、地震により建物自体が倒壊し収蔵しているご遺骨を失う可能性があります。
 また、屋内墓地はビルなどの建造物である以上、どうしても年月と共に次第に老朽化していくことは避けられません。

 ご利用される場合は、建物の耐久性と、補修や改築についてきちんと計画されているのかについても、施設の管理者に忘れずに確認しておきましょう。

お墓参り時期は屋外の墓地よりも混み合う
 屋外の墓地・霊園と違い、屋内墓地はお参りをする場所が共同の一ヶ所の祭壇でお参りすることが多いため、どうしてもお盆やお彼岸などのお墓参り時期は混雑してしまいます。
参拝者が多いので、ゆっくりお参りしていることが出来ませんので、本来のお墓参りシーズンでない時に時期をずらすなどの配慮をしなければなりません。

お墓参りできる時間が制限される
 屋内墓地の場合、参拝できる時間が限られており、それ以外の時間は建物自体しっかり施錠されているため中に入れませんので、ふと思い立った時に自由にお墓参りをすることができません。
 また、年末年始などは屋内墓地の建物が閉まっている場合が多いようですので、その時期にお墓参りをしたいと考えている方は、施設に確認することが大切です。

 以上が、屋内墓地の主なデメリット面となりますが、屋内墓地でもお墓のタイプや施設によって規則など異なりますので、ご利用をご検討の際は、施設の管理者に直接お問合せすることをおススメします。

 今回は、「屋内墓地のデメリット」について解説させていただきました。
終活の一環として、屋内墓地のお墓を選択肢としてご検討される際に、ご参考にしていただけると幸いです。
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