都市型軽費老人ホームについてお教えします

介護

 最近、高齢者が『終の棲家』として選ばれるのは、住み慣れたご自宅ではなく、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホームなどの高齢者向けの施設を、高齢者本人の健康状態や要介護度、家庭の経済事情などによって選ばれる方が増えてきているようです。

その施設のなかでも、「軽費老人ホーム」は、低料金で利用できると施設として、今までその数を増やしてきました。

 そんな中、東京都などを中心とした都市部において、従来の軽費老人ホームで定められた居住面積や人員配置の基準を緩和させ、利用料を低く抑えた低所得者を対象にした「都市型軽費老人ホーム」の設置を、2010年より整備が進められております。

そこで今回は、その「都市型軽費老人ホーム」とは、どのような施設なのかについて解説したいと思います。

 都市型軽費老人ホームとは、老人福祉法に基づいて設定された「軽費老人ホーム」のひとつです。

 2010年より東京都において、急速に進む高齢化に対応するために、地価が高い都市部でも整備が進むように、従来の軽費老人ホーム(「A型」「B場型」「ケアハウス」)に比べ、居室面積や人員配置に関する基準が緩和し、さらに、収入に応じた減免措置があるため、所得の低い高齢者でも安心して利用(生活)できるように利用料も低く抑えた、低所得者を対象とした定員20名以下の小規模な「軽費老人ホーム」で、都市部を中心に整備が進められているため『都市型軽費老人ホーム』と呼ばれております。

『都市型軽費老人ホーム』の主な概要は、下記になります。
施設規模:定員20名以下(5名以上)
主な職員配置基準:施設長、生活相談員(施設長が兼務可)、介護職員(常勤換算で1名以上)、夜勤職員など
家賃等月額利用料(定額)10万円~12万円程度
※入居者が負担する利用料は、その収入に応じて減額されます。
○居室:居室面積の基準は7.43平方メートル(4畳半程度)となっています。
○食事の提供:1日3食提供されます
○サービス内容:24時間365日の見守り体制、生活相談員による相談受付のサービスなど
※外部の介護サービスを利用することができます(別途費用にて)

 条件等の規制緩和により、20名の入居者に対しての人員配置が、他の介護施設と比べるとやや手薄になっております。
しかし、24時間365日の見守り体制が約束されていることや、外部の介護サービスを利用できることを考えれば、安全面で大きな支障が出ることはないでしょう。

なお、『都市型軽費老人ホーム』に入居するためには、下記の全ての条件を満たす必要があります。

1、60歳以上の低所得の人(要介護5の方でも入居可能です)
2、入居希望の施設がある自治体に居住している人(住民票のある人)
3、身元保証人が得られる人(生活保護の方は応相談)
4、問題行動がなく共同生活が可能な人
5、身体機能の低下などにより、自立した日常生活を営むことが不安がある人
6、家族による援助が困難な人
7、住居の状況など、現在の環境では在宅生活を継続することが困難な人
8、財産管理や日常の金銭管理などについて、自己管理ができる人

『都市型軽費老人ホーム』は、従来の介護施設に比べ比較的少ない個人負担で利用ができ、要介護状態でも入居できることと、日常生活の見守りやお食事などのサービスの提供を受られるので、今後ますます入居を希望される方が増えそうです。

ますます増えるであろう高齢者に対応するために、東京都などの自治体を中心に、『都市型軽費老人ホーム』の整備が拡大する方向にあるようです。

 今回は、「都市型軽費老人ホーム」について解説させていただきました。
皆さまの終活の終活の一環として、老人施設の利用をご検討される際に、ご参考にしていただけると幸いです。

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