ご自宅にお墓「宅墓(自宅墓)」について

墓地・霊園

 近年の日本において、少子高齢化が進み単身家庭や核家族が増えていることが背景で、お墓の承継者がおらずお墓の維持や管理が困難になり、墓じまいをして改葬する方が増えております。

そのような墓じまいからの改葬先として、最近注目を浴びているのが手元供養という供養方法です。

 手元供養とは、その名のとおり、全てのご遺骨もしくはご遺骨の一部を、手元に置いて供養することを言います。

 大切な家族や最愛の人がお亡くなりになってしまったとき、「いつでも故人を身近に感じていたい」や「いつまでも近くで見守っていて欲しい」 などと願う方がおれます。
そのような想いを叶えるために、ご遺骨の入った骨壺をお自宅に安置したり、故人のご遺灰や髪の毛などを、小さな容器やペンダントなどに収め、ご自宅に置いたり身に着けることで、いつまでも故人との絆を感じ心の癒しを得ることができます。

 そのような手元供養の中でも、最近、ご自宅にご遺骨を保管する「宅墓(自宅墓)」の利用が都市部を中心に広がりをみせております。

 宅墓とは、室内に納骨場所を設置できる小型のお墓のことで、自宅に設置するものなので、手元供養の一種になります。

法律(墓地埋葬法)では、「埋葬または焼骨の収蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない」という条文がありますので、自宅にお墓を作りご遺骨を埋葬(地中に埋める行為)することは禁止されておりますが、ご遺骨を自宅に埋葬せずに単純に保管することは法律上問題ありません。

「宅墓」でご遺骨を保管する場所は、ご自宅の中や外(庭など)にある、小さな墓石(大きさは、200mm×300mm×200mm程度)の中へ骨壷を保管し供養します。

 墓石が小さいということから、宅墓の相場は7万円~30万円程度となっており、一般的なお墓を購入するより割安となっているようです。

 墓石の種類やデザインを選ぶことが可能で、希望に応じて、宅墓に刻む文字もご指定することができるようです。

宅墓で供養する方法は下記の二つの方法になります
1、ご遺骨やご遺灰の全てをご自宅で保管する
2、ご遺骨やご遺灰はお寺や霊園へ納骨し、一部をご自宅に保管する

1か2どちらの方法を選ばれるかは、人それぞれの供養に対する考えにより異なりますが、2の供養方法を選ぶことが多いようです。

宅墓で供養することで、下記のようなメリットが得られます

【宅墓のメリット】
『亡くなった方との絆が、常に身近に感じられる』
 大切な家族や最愛の人がお亡くなりになってしまったとき、「いつでも故人を身近に感じていたい」や「いつまでも近くで見守っていて欲しい」 などと願う方が少なくありません。
亡くなられた方のご遺骨を身近に置くことで、いつまでも故人との絆を感じ心の癒しを得ることができます。

『供養(お参り)が、いつでも気楽にできる』
 高齢になり気力や体力が衰えると、お盆や命日にお墓がある墓地や霊園にお参りに行くことも、大きな負担となってきます。
しかし、自宅にお墓があれば、煩わしい長い距離の移動や、ご家族との日程調整などを調整を気にすることなく、いつでも思い立った時に気楽に供養(お参り)ができます。

『費用が安く抑えられる』
 お墓を墓地や霊園に購入する場合は、墓石等の購入費用が数十万~数百万円程度かかる場合があります。
さらに、定期的に使用料や管理費用も必要となります。

しかし、ご自宅にお墓がある「宅墓」でしたら、宅墓自体の相場は7万円~30万円程度と格安となっており、ご自身で管理するため、使用料も管理費用も不要なので、一般的なお墓と比べ費用を安く抑えることが可能となります。

 最近の日本では、少子高齢者が進み核家族化が増加傾向にあることから、「思ったときに気軽にお参りができる」ということと、「ご購入費用と維持管理費を抑えることができる」ということから、この「宅墓」という新しい供養方法の需要が、今後増えそうですね。

 今回は、手元供養の一つとして、ご自宅で供養できる「宅墓(自宅墓)」について解説させていただきました。
皆さまが終活をおこなう上で、供養方法として「宅墓」をお考えの際に、この記事をご参考いただけると幸いです。

 終活のすすめでは、今後も最新の終活情報を配信していきますので、ぜひ定期的にご訪問いただき記事のチェックなどよろしくお願いします
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