お墓選びのポイントについて1(お墓のタイプで選ぶ)

墓地・霊園

 ほとんどの人にとって、お墓を購入するということは、人生においてとても大きな買い物となります。
一度お墓を建ててしまったら、簡単に作り直したり移転したりできませんので、お墓を購入する際は、後悔しないように慎重に選ばなければなりません。


 そこで今回は、皆さまがお墓を建てるとき失敗しないように、お墓・墓地選びに大切なポイントについて解説したいと思います。

 まず初めに、お墓選びで最初に重要となる、お墓のタイプで選ぶ際のポイントについてご説明させていただきます。

 お墓選びで大切なのは、どのようなタイプ(形式)のお墓にするかです。
そのポイントとなるのが、お墓の継承者がいるかいないかです。

後継者がいる方は、どのタイプのお墓を選んでも問題はないですが、お墓の継承者がいない場合は、一般墓を建てても、管理者が誰もいなくなると墓じまいしなければならなくなるからです。
そうならないために、お墓の継承や供養方法、管理方法などについてあらかじめお墓のタイプ別に知っておくことが大切です。

【お墓のタイプ】
 従来、お墓と言えば一般的な代々伝わる家墓タイプのお墓のことを言いましたが、最近では、様々なタイプのお墓があります。
主なタイプは「一般墓(家墓)」「永代供養墓」「納骨堂」「樹木葬」などがあり、管理や供養の方法によって選ぶお墓のタイプは異なります。

「一般墓」
 「お墓」といったら、多くの人が最初に頭に思い浮かぶのが一般墓のことです。
お墓・霊園の管理者から墓地(土地)を借りて、その上に墓石を建てるお墓で、「家墓(いえはか)」とも呼ばれる先祖代々受け継がれていくお墓です。
一般的に、代々その家の長男がお墓を継承し、ご家族を代表して供養・管理をおこないます。
 住居を購入するときに最終的には一戸建てを望む方が多いように、伝統的でポピュラーな一般墓を持ちたいと思う人は多いようです。
しかし、一般墓は代々受け継いでいくものですので、お墓の継承者がいない方は最終的に墓じまいとなりますので、一般墓の購入は避けた方がいいかもしれません。

 そこで、最近の日本では、前述の「一般墓」と違い、お墓の継承者がいなくても安心してお墓が建てられる仕組みが広まってあり、お墓を継ぐ人がいなくても、墓地の管理者(寺院・霊園など)が、ご家族や親族に代わって責任をもって永代にわたり供養や管理を続けてくれる「永代供養のお墓の需要が高まってきております

 永代供養のお墓のタイフ゜は主に「個別墓」「集合(共同)・合祀墓」「納骨堂」、そして「樹木葬」という4つのタイプに分けられますので、一つずつ説明していきましょう。

「永代供養墓(個別墓)」
 最初は一般的なお墓と同様に個人のお墓に埋葬した後、一定の供養期間か゛経過すると個人墓から骨壺ごとご遺骨が取り出され、永代供養墓(合祀墓)に移され、永代供養されるお墓のことです。
※供養期間は寺院・霊園によって様々ですが、33回忌を契約期間とすることが多いようです。

個人で入る一人用の「個人墓」や、夫婦二人だけが入る「比翼墓(ひよくぼ)」とも呼ばれる「夫婦墓」、家族全員のご遺骨を埋葬て゛きるようにした家族用の「家族墓」など、様々なタイプの個別型の永代供養墓があります。

「永代供養墓(合祀タイプ)」
 個人名義の一人ずつの墓ではなく、石碑や供養塔などがある広い納骨スペースに、共同で骨壺をお納めして供養する合祀(ごうし)型の墓のことで、「合葬墓」や「共同墓」「合祀墓」とも呼ばれており、お参りする人がいなくても、無縁仏・無縁墓になる心配がありません。

 供養のスタイルは「合祀型」「個別型(ご遺骨安置)」の2つのタイプとなります。
合祀型:ご遺骨をお墓の下の合祀スペースに散骨いたします。
個別型:空いているご遺骨安置スペースにご遺骨を骨壺に入れて安置いたします。
※ご遺骨の個別の安置期間(主に、7~33回忌後)が設定されており、期限がきたら合祀される場合が多いようですですが、期限などの詳細については、事前にお墓の管理者に確認するようにしましょう。

「納骨堂」
 お墓不足の救世主として、最近需要が増えているのが、個人や夫婦など様々な単位でご遺骨を屋内施設型「納骨スペース」に安置することができる、「納骨堂」というお墓です。

「納骨堂」には、屋外型のほかに屋内型として、主に『仏壇型』『ロッカー型』『墓石型』『コンピュータ制御型』などの4つのタイプがあると言われています。
 
 遺骨の供養期間は、一定期間(三十三回忌までなど)遺骨を個別に収蔵した後、期限がきたら永代供養墓などの合祀墓に移して供養することが多いようです。
交通の便が良いところが多く、屋内のためいつでも快適にお参りできるということと、納骨費や管理費など、費用が低く設定されていることで、最近人気がたかまっているようです。

「樹木葬」
 ここ近年、急速に注目を集めているのが、墓石を置かず、墓石の代わりに樹木や花を墓標(シンボル)として、その下にご遺骨を埋葬する樹木葬と呼ばれるお墓(埋葬方法)です。
まだ歴史は浅いですが、死後は自然に還り静かに眠ることができるとして、公共・民間を問わず自然志向の方の間で急速な広がりを見せています。
お一人様やご夫婦などの後継ぎを必要としない方々のご利用が多いようです。

 樹木葬には、「公園型」「ガーデニング型」「里山型」などがあり、埋葬方法も、合祀型・集合型・個別型の3つのタイプなっているようです。
自然に還るという意味合いが一番濃いのが樹木葬ですが、まだ比較的新しい埋葬方法ですので認知度も低く、メリット・デメリット様々あるようです。

 お墓でございませんが、他にも「散骨葬」と呼ばれる埋葬方法が、最近『死後は自然に還りたい』と希望する人が増えていることから、需要が増加しているようです。

「散骨葬」
 火葬したご遺骨をお墓や納骨堂などに納めずに、遺骨を細かく砕き粉末にして、海や川や山(陸地)などに撒く、葬送(自然葬)のことです。
お骨を全て散骨することもできますが、一部だけを散骨する方もいます。

 散骨の場所は、海、川、山、空、宇宙と実に多様ですが、山中などの陸地ではなく、海に散骨する「海洋葬」のケースが一般的となっているようです。
新しくお墓を購入する費用が必要ないということと、お墓を管理する負担がないため、最近、選択肢として選ぶ方が増えてきてるようです。

 簡単ではございますが、今回は「お墓選びのポイント」として「お墓のタイプ」について、解説させていただきました。
皆さまが終活の一環として、お墓を選ぶ際にこの記事がお役に立てましたら幸いです。

 どのタイプのお墓が一番良いということはありません。
お墓の継承者はいるのか、ご自身はどのようなお墓に永眠したいのかなどじっくり考えて、どのタイプのお墓がお自身に最適なのかを判断しましょう。

 終活の一環として、生前に様々なお墓のタイプからお墓を選ぶ際は、皆さまのご家庭の状況や供養の希望などを考慮した上で、ご家族と十分に相談しながらご自身に合ったお墓選びをいたしましょう。

 なお、お墓を選ぶ際は、お墓選びで後悔しないためにも、資料やインターネットだけ見て検討するのではなく、実際に現地に行ってご自身の目と足で確かめることをおススメします。

 また、検討するのは1件のみでなく、複数の候補を比較検討しながら慎重に選ぶことが需要です。
【 過去の記事 】 記事一覧はこちら >>

無縁仏になった後のお墓やご遺骨について

 最近の日本では、少子化と核家族化が進み家族関係や地域社会の希薄化などにより、お墓の承継者や管理者がいなくなったために、しかたなく「無縁仏」になってしまうケ...

墓地・霊園 

今話題の「墓友」について

 終活の関連ワードとして、ここ最近よく耳にするのが「墓友(はかとも)」という言葉です。数年前には、「墓友」をテーマにしたオムニバスドラマ(世にも奇妙な物語)...

墓地・霊園 

散骨葬で注意しておきたいこと

 少子化と核家族化が進む日本において、お墓の承継者がいない方やお墓でご家族に迷惑を掛けないということと、自然回帰を望む人が多くなっていることから、最近、「散...

葬儀 

散骨葬のメリットとデメリットについて

 本日は、「樹木葬」と同様に自然葬の中でもう一つ代表的な葬送「散骨葬」にスポットを当てて、「散骨葬のメリットとデメリット」についてご紹介させていただきます。...

墓地・霊園