老人ホームの種類について

介護

 ある民間の調査会社が、50〜70歳の方を対象におこなった、「あなたは、どこを『終の棲家』にしたいですか?」というアンケートでは、約65%以上の方が「自分の家で最期を迎えたい」という結果だったそうです。

 結果をみる限りでは、終の棲家の理想はご自宅であると言えますが、核家族化が進み高齢者のみのご家庭が増えている昨今、高齢になり一人もしくは老夫婦のみで暮らすことに不安を感じたり、もし、介護や介助が必要になったりした場合どうしたらいいのか、心配されておられる方が多いのが実状です。

 そこで最近では、「家族に介護で迷惑をかけたくない」や「設備が整った施設だと必要な介護サービスを受けられるから安心」という理由で、「もし介護が必要となったときは、老人ホーム(介護施設)で終焉を迎えたい」という思いを持つ高齢者が増えてきているのも事実のようです。

 今回は、そんな皆さまのために、「老人ホーム(介護施設)」の種類について簡単にまとめてみましたので、ご参照ください。

「老人ホーム」とひとことでいいますが、その種類は多く、運営主体、サービス内容や目的や費用、入居条件など施設によって様々です。
大きく分類すると、民間事業者が運営している施設(老人ホーム)と、社会福祉法人や自治体が運営する「介護保険施設」と呼ばれる公共型の施設がありますが、今回は、民間の老人ホームについて解説させていただきます。

 入居条件は施設のタイプにより異なっており、入居者の健康(要介護)状態や、サービス内容、経営状態(民間・公共)により、選択肢が変わってきます。

主な老人ホームの種類は下記になります。

サービス付き高齢者住宅
 サービス付き高齢者住宅は、主に民間事業者が運営しており、有資格者の相談員が常駐し、安否確認と生活相談が受けられる見守りサービスがついたバリアフリーの賃貸住宅のことで、「サ高住」や「サ付き」とも呼ばれております。
要介護高齢者が多く入居する介護施設と異なり、主に自立もしくは軽度の要介護高齢者を受け入れています。

健康型有料老人ホーム
 健康型有料老人ホームとは、介護の必要がない自立している方が入居できる施設です。
主に民間事業者が運営しており、食事の提供や家事手伝いのサポートが受けられるほか、日常生活を楽しむための各種アクティビティの設備施設が整っている施設です。

住宅型有料老人ホーム
 住宅型有料老人ホームは、60歳以上の高齢者で、自立されている方や、要支援や軽度の要介護状態の比較的自立した生活ができる方を受け入れている施設です。
生活支援サービスや緊急時の対応、レクリエーションなどが受けられます。
介護付有料老人ホームとの違いは特定施設入居者生活介護の指定が無いので、介護が必要な場合は外部サービスを利用することになります。

介護付有料老人ホーム
 介護付有料老人ホームとは、行政から「特定施設入居者生活介護」サービスとして業者の指定を受けた施設が「介護付有料老人ホーム」です。
家庭での生活が困難な介護が必要な方が、ご自宅の代わりに暮らすことができる施設です。
身の回りの世話(掃除や洗濯など)や、食事や入浴、排せつなど日常生活での介護(介助)サービスが受けられます。
介護付有料老人ホームのタイプには、介護専用型と混合型の2つのタイプがあります。

軽費老人ホーム(A型・B型)
 軽費老人ホームとは、60歳以上で、身寄りのない人や、家庭環境・住宅事情・経済状況などの家族による援助を受けることが困難な人などが、日常生活のサポートを受けられる公的側面が強い介護施設です。
提供されるサービスの内容の違いにより、食事のサービスのある「A型」と、食事がない「B型」に分類されます。

軽費老人ホームC型(ケアハウス)
 60歳以上で、身寄りのない人や、家庭環境・住宅事情・経済状況などの家族による援助を受けることが困難な人などが利用できる施設で、全室個室でバリアフリー完備など、より高齢者に負担がかからないような構造になっております。
外部の介護サービスを利用する「自立型(一般型)」と、介護サービスを備えた「介護型」があります。

 ご入居者の受け入れ条件やサービス内容などは、介護施設によってさまざまです。
ご自身の健康面や経済状況、施設のサービス内容などを検討して、終の棲家となる施設選びをなさってみてください。

 非常に簡単ですが、老人ホームの種類について解説させていただきました。
皆さまの終活にお役立ていただけると幸いです。
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