分骨

分骨

「分骨」とは、文字通り「お骨を分けること」を意味する言葉で、亡くなった方のご遺骨の一部を取り分けて、別の場所に納骨することを言います。

分骨を行うことは、法律的には何も問題となることはございません。
人によっては「分骨すると成仏できない」や、「来世で五体満足にならない」などと言われる方がおらるようですが、これらはまったくの迷信で、仏教的にも、お釈迦様のご遺骨は「仏舎利(ぶっしゃり)」と呼ばれ、分骨されて各地でお祀りされているように、分骨は古くから行われていますので、問題はございません。

分骨の目的

分骨の目的は様々ですが、理由として多いのが、兄弟が離れて暮らし、それぞれが建てたお墓でご両親を別々に供養するために『ご家族で分けるために分骨』をするケースと、浄土真宗の信徒の場合、ご遺骨を浄土真宗の『本山に納めるために分骨』するケース、あと、最近多くなっているのが、故人と離れたくないという想いから故人の代わりにご遺骨を身近に置く『手元供養するために分骨する』ケースです。
あと、海洋散骨する場合も、全てのご遺骨を散骨すると、供養が二度と出来ないため、事前に分骨してご遺骨の一部を散骨されることが多いようです。

分骨する時期は、「分骨はいつしなければならない」というこれといった決まりはなく、分骨が必要となったときにいつでも行うことができます。

分骨の方法

実際に分骨を行う際は、2つの方法となります。

納骨前に分骨する場合
分骨で多いのは、火葬場で火葬後にその場で分骨するか、納骨までの間に骨壷から取り出して分骨するケースです。
火葬場で分骨を希望される場合は、事前に火葬場にその意向を伝えておきましょう。

なお、分骨を行う際に、分骨を埋葬しない場合は、「分骨証明書」の発行は必要ありませんが、分骨したご遺骨を埋葬する場合には「分骨証明書」が必要になります。
もし、分骨した後の供養方法がまだ未定の場合は、一応、分骨証明書を発行してもらっておくことをおススメします。
「分骨証明書」は火葬場で発行してもらえますので、火葬場の職員に必要な枚数を依頼してください。

あと、分骨する数分の骨壺のご用意も必要です

「分骨にかかる費用」
分骨証明書の発行手数料は、自治体によって異なりますが、一般的に1通300円程度が相場のようです。
納骨後に分骨する場合(墓地の管理者へ手続き依頼)
すでに、お墓の中に納められているご遺骨を取り出して、分骨することも可能です。

その際は、お墓(ご遺骨)の管理者(祭祀者)に連絡し許可を取ることは必須です。
また、後に親族間でトラブルにならないように、親族からも事前に了承を得ておくことが大切です。

なお、分骨するために墓石を動かす必要がある場合は、石材店に墓石を動かす作業を依頼することと、墓石を動かすにはただの石にする必要があるために「閉眼供養(魂抜き)」といわれる供養の儀式を行なわなければならず、そのためには、墓地の管理者に連絡し僧侶に供養の依頼をする必要があります。

なお、「分骨証明書」の発行は、お寺や霊園などを管理している寺院や管理会社に依頼します。
火葬場で分骨するのと同様に、分骨する数分の骨壺のご用意も必要です

「分骨にかかる費用」
分骨証明書の発行手数料は、一般的に1通数100円程度が相場のようです。
その他に、閉眼供養の費用として1~3万円程度、暮石を移動するために石材店に2~3万円程度の費用がかかります。
料金の詳細については、供養する寺院や石材店によって金額が異なりますので事前に確認が必要です。

分骨は、納骨した後はお寺や石材店に依頼しなければならず、手間と費用がかかりますので、事前に分骨することを決めておられるようでしたら、火葬の際に分骨されるのが理想といえます。

分骨を行うことは、宗教的に何の問題もありませんが、分骨をする際は、分骨後のトラブルを避けるために、必ずご家族や親族間で十分相談して全員から了承を得た上で行うことが大切です。