墓檀家

墓檀家

「墓檀家」とは、お寺の檀家にならなくても寺院墓地にお墓を建てる事ができたり、法要の時はそのお寺にお任せすることが可能となる、最近できた新しいお墓の制度のことです。

古来より、寺院の墓地にお墓を持っている場合は、そのお寺の檀家になっているのがほとんどです。
また、檀家は個人ではなく家単位で所属するため、ご自身の意志でなくても代々から継承してどこかのお寺の檀家であるケースが多いです。

しかし、近年は少子化と核家族化の進み、生まれた故郷を離れて都市部などに移住する方が増えており、檀家であるお寺との接点は減ってきているために、葬儀や法事などの供養をおこなうために、檀家となっている故郷の寺院の住職に、都市部にまで出てきてもらうことをお願いすることが難しくなってきております。

そのような状況を解決するために、最近、「墓檀家」と呼ばれる新しい制度ができました。

墓檀家制度とは、開眼法要や納骨法要をなどの、お墓で営む法要だけのみを決まったお寺にお願いする仕組みです。
どこか特定のお寺の檀家になっていても、もしくはどこの檀家にもなっていなくても、お墓の法要の時だけそのお寺に供養をお任せ出来る、便利な制度です。

「墓檀家」としてその寺院にお墓を建てた人が、初めはお墓で営む法要だけのみお任せしていたが、葬儀や法事もそのお寺に任せた方が何かと便利ということで、最終的には「墓檀家」から正式な「檀家」になるケースも少なくないようです。

墓檀家になっても、必ずその寺院の宗派に改宗する必要はありませんので、宗派が違うお寺に、檀家にならずにお墓を建てることができます。
また、どこか他の寺院の檀家であっても、そのままお墓を建てることもできます。
しかし、その場合は、檀家のお寺だけでなく、墓檀家となったお寺とのお付き合いも必要となり、負担がかかってしまいますので、注意が必要です。

墓檀家制度は、そのお寺の檀家にならずにお寺の墓地が使用できることと、お墓の法要をお願いすることができるとても便利な新しい制度です。
元々の宗派は改宗したくないけど、ご自宅から近い利便性の良いお寺で供養などしたいという方に、最適ではないでしょうか。