墓守

墓守

「墓守」とは、文字通りお墓を管理(守る)する人のことを指す言葉で、2つの意味があります。

一つは長男などのお墓を継承し管理する人(祭祀承継者)のことを指しております。

もう一つは、お墓の承継者の代わりにお墓の管理や掃除をする人や、墓地や霊園全体の管理や清掃に従事する人(職員)のことを「墓守」と呼ぶこともあります。

2つの「墓守」ともに、基本的に墓所の世話(管理)をすることに変わりませんが、具体的にする内容には違いがあります。

墓守の役割

【お墓の承継者(祭祀承継者)が墓守の場合】

お墓参りと清掃
  • お盆やお彼岸、命日などに墓参りを参加します。
  • 定期的にお墓を訪れて、お墓の清掃をします。
基本的に、墓守の役目を果たすためには『お墓に定期的に通える距離に住んでいる事と』、『お墓を清掃できる健康な身体をである』ことが条件となります。

もし、墓守でも「遠方に住んでいる」や、「体が不自由」などの理由で十分な墓守ができない場合は、墓守に協力してくれる人に墓守を頼む必要があります。
年間行事への参加と法事の施主
お墓が寺院にある場合は、墓守として毎年の「お彼岸」や「お盆」「年末年始」などの年中行事などへ参加しなければなりません。
また、法事の施主などを務めなくてはなりません。

最近は、寺院も配慮してくださり、遠方に住む墓守には、年中行事の参加は強制ではないお寺も増えてきているようですが、墓守をされる場合は、事前に「お墓のある寺院にはどのような年間行事があるのか?」について確認しておくことが大切です。
お墓の費用の支払い
お墓は、墓地の清掃やメンテナンス、水道利用料や施設の光熱費など、管理・維持にお金がかかります。墓地をリニューアルする際にもお金が必要であり、そのためには、墓守は管理・維持費を納めなくてはなりません。
また、檀家としての法要の時には、戒名やお布施などの費用の支払いもしなければなりません。

【墓地や霊園の管理者が墓守の場合】

寺院墓地の場合
寺院墓地の管理人が墓守の場合は、一般的にはご住職やお手伝いの方(寺男と呼ばれている)などが、墓域の清掃やメンテナンスなどを行ってくれます。
墓所によっては、檀家さんが交代で行っているところもあるようです。
霊園の場合
霊園の管理人が墓守の場合は、霊園の管理人が、墓域の清掃や管理、共同設備のメンテナンス、法事・法要のときの埋葬や仏花、会食の手配などを行なってくれます。
公営霊園(墓地)の場合は、地域の住民が管理を行う場合もあるようです。

墓守の決め方(祭祀承継者の場合)

従来まで、お墓の承継は「お墓は長男が継ぐもの」というイメージがあり、当然、墓守も長男がなることが一般的とされてきました。
しかし最近では、「両家墓」や「個人墓」、「墓友」などのスタイルが多くなった影響や、家族構成や住居などの事情もあり、『祭祀承継者=長男』ではなく、長女や次男や他の家族、親族などが祭祀承継者となり、墓守となるケースも多く見受けられるようになりました。

あくまでも大切なことは、故人をしっかりと弔えるように、ご家族と親族できちんと話し合い、墓守される方を決めることが需要です。