改葬

お墓が遠方にあるためにお参りや管理が難しなったり、諸事情によってお墓の管理できなくなったなどの様々な理由で、既にお墓や納骨堂に納めているご遺骨(ご遺体)を含めたお墓を、別の場所の墓地や納骨堂に移動させることで、いわゆるお墓(ご遺骨)の引越しのことを「改葬(かいそう)」といいます。

改葬

勝手に遺骨を移動させることは法律で禁じられておりますので、改葬を行うには自治体に「改葬許可申請書」を提出し、改葬許可証の発行を受ければなりません。
なお、改葬許可申請書に新しい改葬先を記入する必要がありますので、申請の前に改葬先の新しいお墓・納骨堂を決めておかなければなりません。
改葬先を決める際は、現在と同じ宗旨・宗派の墓が建てられるか、お墓に埋葬されている遺骨が全て収蔵できるかなどをしっかり考慮して、お墓を探す必要があります。

改葬の方法

「改葬」する方法は、何種類かあります。

1、新しい墓地(霊園)に、石碑(墓石)と納骨しているご遺骨すべてを移動する方法
・現在、納骨しているお墓に建ててある石碑(墓石)と納骨しているご遺骨すべてを、新しい墓所へ移動させる方法です。
石碑(墓石)ごと移すため、新しい墓所に全て移動したあとは既存の墓所は更地に戻します。
2、既存の墓地は更地にし、新しい墓所に石碑(墓石)を新しく建て、納骨しているご遺骨はすべて移動する方法
・現在、納骨しているお墓に建ててある石碑(墓石)は撤去し、新しい墓所に新しい石碑(墓石)を用意し、納骨しているご遺骨をすべて新しい墓所へ移動させます。
既存の墓所は石碑(墓石)を撤去し更地に戻します。
3、既存の墓地はそのままで、新しい墓地(霊園)や納骨堂に、複数ある骨壷の一部を移動する方法
・現在、既存の墓所に納骨しているご遺骨の一部を、新しく石碑(墓石)を建てた新しい墓所へ移動させる方法です。
また、ご遺骨を分けてその一部を新しいお墓へ移す「分骨」という方法もあります。
既存の墓所は、石碑(墓石)とともにそのまま残します。

上記のように、お墓を改葬する方法は状況に応じて様々なケースがあるようですので、ご自身の状況を踏まえどの方法が最適か考えてみてください。

改葬の流れ

「改葬」する場合の、手続きの流れは下記のようになります。

1、新規墓地の確保
まずは改葬先の墓地・霊園の確保し、改葬先の管理者に「受入証明書(永代使用許可書)」を発行してもらう。
2、既存墓地への手続き
既存の墓所の管理者に、お墓の移動・移転することを報告(相談)し、「埋葬証明書(納骨証明書)」を発行してもらう。
3、自治体(市区町村)へ申請
既存の墓地のある自治体(市区町村)に「改葬」の申請を行います。
「改葬許可申請書」に必要事項を記入し、「受入証明書(永代使用許可証)」と「埋葬証明書(納骨証明書)」と一緒に提出し、「改葬許可証」を発行してもらいます
※発行されるまで数日かかります。
4、既存の墓所からご遺骨の取り出し 墓石の撤去、更地工事、
自治体(市区町村)から改葬許可証が発行されたら、改葬元の管理者に提出しご遺骨を取り出します。
ご遺骨を取り出す際は、通常、改葬元の僧侶に墓前で読経してもらい、「閉眼供養」「魂抜き供養」「遷仏法要」などの宗教儀式を行うのが一般的です。
閉眼供養などの法要後、お墓からご遺骨を取り出し、分骨の場合を除いて墓石を撤去して土地を更地に戻します。
5、ご遺骨の搬送
骨壺などが壊れないように、丁寧にさらしや風呂敷などにくるみ大切に安置します。
既存のお墓から改葬先の新しいお墓へ移すまでに期間が空く場合は、自宅の仏間かお寺などに安置します。
ご遺骨の搬送は人の手ですることも可能ですが、搬送の手配などを石材店へ依頼すること可能です。
6、改葬先へご納骨
「改葬許可証」をお墓の改葬先の管理者に提出してご遺骨を埋葬します。
ご納骨の際は、改葬先の僧侶に依頼して、『納骨法要』『開眼供養』『建碑法要』等の宗教儀式をを行っていただくのが一般的です。

なお、改葬は、改葬先の墓地・霊園に既存の墓石を移動する場合と、新しい墓石を設置する場合がございます。
どちらもケースも工事が必要となりますので、石材店に相談・依頼しましょう。

また、改葬の手続きは自治体により異なる場合がございますので、詳細については、現在お墓のある各市区町村にてご確認されることが大切です。