生前予約

葬儀の生前予約とは、お葬式をあげてもらうご本人がまだ元気なうちに、ご本人もしくはご家族が事前に葬儀を予約することを言います。

生前予約

葬儀を生前予約しておくことで、本人の希望通りの葬儀をすることができますし、遺されるご家族の葬儀に関する負担を大幅に軽減することができます。
また、時間が限られているわけではないので、葬儀の内容や費用面などじっくり検討することが可能となります。

葬儀の生前予約の流れ

1.葬儀内容についての打ち合わせ、お見積り
まずは、葬儀会社と葬儀の内容について相談してみましょう。
決めておきたい葬儀の内容は、ご希望の斎場や葬儀の規模(人数)、祭壇の種類、会葬御礼・返礼品などの葬儀プランについてです。
※葬儀会社によって葬儀の内容や費用が異なりますので、相談・お見積りは複数の葬儀会社と行い、比較検討することをお勧めします。
2.葬儀の生前契約をする
葬儀の内容や費用が決まりましたら、生前予約の契約をおこないます。
※生前予約で実際に申込や支払い等の契約まですることを「生前契約」といいます。
葬儀会社によって異なりますが、基本的には、葬儀の内容を決めてその支払い方法を指定するというのが主な契約内容になります。
3.費用を支払う(支払方法を決める)
生前契約の葬儀料金の支払い方法は、下記の4パターンが一般的です。
・生前契約を締結した時に前払い
・葬儀が終わった後に後払い
・信託会社へ費用を預け、葬儀後にそちらから精算する
・互助会によくある葬儀の費用を積み立てていく方式

なお、積み立て形式の場合は、積み立てた金額で葬儀費用のどこまでまかなえるかを事前に確認しておくことが必要です。

※生前契約時に料金を前払いする場合は、葬儀会社の倒産などのリスクがありますので、葬儀後に支払うか、もしくは信託会社を利用するのが安心です。


葬儀の生前予約のメリット

「ご自身の思い描く葬儀が実現できる」
葬儀には、埋葬方法や葬儀形式など、さまざまな形式があります。
そこで、葬儀の形式(スタイル)や演出などを事前に伝え確認しておくことで、その人らしい心のこもった葬儀を実現することが可能になります。
「遺された遺族への負担が軽減できる」
葬儀について事前に準備をしていない場合は、お亡くなりになった悲しみや喪失感を感じておられる時に、短期間で非常に多くのことを選択・決定しなければならず、これは遺された家族にとって心身ともに大きな負担となってしまいます。
葬儀について、ご本人やご家族のご希望に沿った葬儀場や葬儀の内容など、事前にあらかじめ相談・確認しておくことで、このような負担を大幅に軽減することができます。
「葬儀費用の不安が解消される」
葬儀会社に生前予約をすることで、ご自身の要望に応じた葬儀内容の見積書を確認ができ葬儀費用の目安がわかるので、葬儀費用も計画的に準備することができ費用への不安が解消できます。
「葬儀をお任せする信頼できる葬儀社が選べます」
突然お亡くなりになり、遺族が慌てて葬儀会社を選ぶのでなく、事前に相談することで、各葬儀会社のサービス内容やスタッフの質を知ることが出来るので、安心して葬儀を任せられる葬儀会社を選定することが可能となります。

なお、生前予約をなさるときは、情報収集が重要となりますので、葬儀社への資料請求や斎場見学、葬儀相談を積極的に行うことが大切です。


生前予約の注意点について

「ご遺族が知らないと、無駄になってしまう」
故人がお亡くなる前に葬儀会社と葬儀の生前予約(契約)をしていても、その事実をご遺族が知らずに他の葬儀社に葬儀を依頼して行った場合、生前予約(契約)は全く意味のないものとなってしまいます。
(生前契約で葬儀社に葬儀費用を前払いで支払っていた場合には、前払いの葬儀費用が無駄になってしまいます。)
そうならないために、葬儀の生前予約(契約)について、事前に家族に契約内容を知らせておくことが大切です。
「葬儀が遺族の希望と大きく違う場合トラブルになる」
故人の希望のみを葬儀社に伝え、葬儀の生前予約(契約)をされた場合、生前予約の契約内容が、ご遺族の希望と大きく違う場合は、トラブルに発展する可能性があります。

そうならないためにも、本人が葬儀の生前予約(契約)をされる場合は、ご家族と十分にご相談の上、ご本人の希望と契約内容を共有しておくことが大切です。
「生前予約(契約)した費用が戻ってこない」
生前予約(契約)で葬儀会社に前払いで費用を支払った場合、その葬儀会社が倒産してしまうと、生前予約(契約)で支払った前払い金は、全く返金されないケースがあります。

そうならないために、「葬儀信託」というシステムを利用されることをおススメします。

「葬儀信託」とは「葬祭信託」とも呼ばれ、ご自身の葬儀費用を銀行などの金融機関に預ける信託のことです。
ご自身が亡くなると、生前予約(契約)通りの葬儀が行われ、葬儀費用は銀行が自動に支払うことになります。
※葬儀信託は、葬儀社が倒産した時でも、葬儀費用は信託会社が保全してくれるので、お金が全額戻ってきます。

また、葬儀信託はあくまでも葬儀のための信託ですので、相続分割協議前でも口座は凍結せずに葬儀費用の支払いができます。

葬儀信託を利用する場合、契約時に葬儀代金とは別に、手数料を信託会社と、専門家(司法書士等)に支払う必要がありますが、葬儀費用の保全のためには、葬儀の生前予約(契約)をされる場合には、葬儀信託を扱っている葬儀社を選ぶと良いかもしれません。

葬儀を生前予約することで死後の始末を決めておくことは、本人の気持ちの安らぎを得ると同時に、遺される家族の負担を軽減することができます。

最近では、終活関連業者が企画した「入棺体験」や「遺影撮影」などができる終活ツアーも数多くあるようですので、一度参加してみるのもいいかもしれません。