終活とは

終活とは、自ら人生の終末をより良く迎えるために積極的に準備し、より自分らしく生きていくための活動のことをいいます。

終活とは、自ら人生の終末をより良く迎えるために積極的に準備し、より自分らしく生きていくための活動のことをいいます

終活を行うことで、家族に自分の意思が伝わり、老後を安心して楽しく過ごせます。また、ご自身がお亡くなりになられた場合に備え、準備をすることで、残された家族の負担を大幅に軽減することができます。

近年の日本では、少子高齢化、こと団塊世代の高齢化が進んでおり、それに伴い、老後生活の心配の解消や遺された家族の負担の軽減のために、終活を始めようと考える高齢者が増加しております。

終活を始めようとする方がまず第一に考える墓や葬儀については、立場にもよりますが、宗派にとらわれず、永代供養墓や自然葬などを望む方が増えているようです。

他にも、終活の一環として生前に準備しておくと良いのは、エンディングノートの作成や生前整理、遺言書の作成など、多岐にわたります。

延命治療の有無や臓器提供や検体を希望するかなどの医療面や、介護への要望なども元気なうちに意思表示することも終活の一貫であり、意思を伝えておくことで残りの人生を心安らかに暮らすことができます。

「終活」を行うことでメリットが得られます また、「終活」の一環として自分の人生を見つめ直すことで、これからやらなければならないことや明確に分かってきます。

そして、「終活」を行うことで下記のようなメリットが得られます。

終活で得られるメリット

「 残された人生が豊かになります 」

終活をおこなう中で、今までの人生を振り返りご自身の終焉を考えることで、残された時間に何をするべきかが明確になり、残りの人生を充実したものにすることができます。
また、残された人生への不安や悩みなど、自分の心の中にある全てのものを整理していく過程で、気持ちがスッキリしてきます。
さらに、事前にお亡くなりになった後のことについて決めておくことで、将来の不安が軽減されます。

「 家族や大切な方の負担の軽減 」

あなたがお亡くなりになった後のことを何も決めておかないと、遺されたご家族にとって大きな負担となってしまいます。
終活の一環として、相続の問題や葬儀やお墓の準備、介護・医療の希望など、元気なうちにこれから将来起こると予想される様々な問題や課題に対して準備することで、遺される家族や大切な方への負担を大幅に減らすことができます。

「 相続トラブルが避けられる 」

お亡くなりになった後に、ご家族間で遺産相続を巡りトラブルが起きることは避けたいところです。
そうならないためにも、終活の一環として遺言書を作成しておくことで、遺された家族同士の遺産相続を巡る争いを避けることができます。

「 ご家族と想いが共有できる 」

終活をおこない、ご自身の意志と希望を明確にしておくことは大切です。
出来れば、終活は自分ひとりでおこなうのではなく、家族や周囲の人と一緒おこなうことが望ましいです。
終活をご家族と一緒におこなう中で、ご家族と懐かしい思い出話しをしたり、ご自身の希望や想いを明確に伝えることができるので、ご家族と希望や意志が分かりあえ、お互いの想いを共有することができます。
もし、ご家族と一緒に終活ができない場合は、自分の考えや希望、ご家族への想いをエンディングノートなどに記載して明確に伝えておくだけでも安心感が得られます。

このように終活を行うことで多くのメリットが得られます。

それでは、終活とはどんなことをするのでしょうか?

終活でやっておきたい10の項目は下記になります。

エンディングノートを書く

エンディングノートを書く

エンディングノートとは、ご自身に万が一のことが起きたときに備えて、事前に家族やまわりの人々に自身の希望や想いを整理し伝えたいことを書き留めておくノートや手紙のことをいいます。

ご自身のプロフィールや、現在の健康状態、延命措置をしたいかどうかといった医療面のことや、介護の方法、葬儀やお墓についての希望、その他気がかりなことなどを記載します。

エンディングノートに正式な形式はございません。
市販のノートでもいいですし、WordやExcelを使って作成するのもいいでしょう。

書かなければならない項目が決められているわけではございませんが、自分の老後や死後に家族にかかる負担を減らすことが目的ですので、具体的に書く内容は下記になります。

本人情報
名前、生年月日、住所、本籍地、血液型、住民票コード、マイナンバー、基礎年金番号、保有している資格、趣味や特技、食べ物の好みなど
プロフィール
学歴、職歴、結婚、夫婦の記念日、出生地、幼少期から各年代の思い出、特技や趣味、人生の経緯など
関係する人物の連絡先
家族、兄弟、親戚、養子、家系図、友人、知人、職場関係者、法的関係の相談者など
財産について
預貯金(口座番号)、公共料金などの自動引き落とし情報、クレジットカード情報、各種加入保険、有価証券や金融資産、不動産、借入金やローン、骨董品など
介護や医療について
希望する医療・介護施設、費用、後見人の希望(財産管理などを任せられる人)、延命措置、臓器提供・献体について、介護や治療方針と決定者指定、常用している薬、アレルギーについてなど
葬儀について
宗派や宗教、戒名や法名、希望の葬儀の規模(一般葬、家族葬、一日葬など)、葬儀業者や会場、互助会など、遺影写真、参列者リスト、喪主に頼みたいことなど
お墓について
希望の墓地、埋葬方法、墓地の継承者、手入れやお供え物など
遺言書について
遺言書の有無、それらの保管場所、形見分けなど
ペットについて(ペットを飼われている方)
年齢、ペットの食べ物の好み、誰に飼って欲しいか、行きつけのペットショップなど
その他
SNSやWebサービスを利用している方は、会員情報(ID・Passなど)、退会など必要な会員になっているもののアカウント情報など
メッセージ
家族や友人に対し、感謝の言葉や最後に伝えたいことなどメッセージとして残します。
文字や写真、動画として残すのもいいでしょう。

エンディングノート エンディングノートには個人情報や生前には知られたくない情報など、かなりデリケートな内容や個人情報が含まれます。そのため、取り扱いには細心の注意をはらい、保管場所は金庫などにして信頼できる親しい人に知らせておきましょう。

書く項目が多いので、途中で挫折してしまう人も少なくありません。そんな時は、最初から全ての項目を記入しようと思わず、少しずつ、書けるところから記入していきましょう。

なお、エンディングノートは遺書と違い、一度記入した内容をいつでも加筆・修正できるので、定期的にご自身で見直すかご家族と一緒に内容を確認して、意思疎通を図っておくことも大切です。

エンディングノートを書き始めると、自分が伝えたい思いが自然にわかってきます。
エンディングノートの作成をきっかけに、自分らしいオンリーワンの終活を始めましょう。

遺言書を書く

あなたがお亡くなりになられた後に、愛する大切なご家族同士が遺産などの相続問題で争わないためにも、遺言書を作成し残しておくことは、終活をすすめる上でやっておかなければならない大切なことの一つです。

もし「遺言書」が無い場合は、相続財産は、法定相続人の順位によって配分されます。

なお、遺言書は決まった形式で書かなければ法的に無効になってしまいますので、法律で定められた形式で正確に作成することが大切です。

遺言書の作成方法は、主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つの形式になります。

遺言書の内容の不備などによりご家族が辛い思いをしないためにも、法律の専門家である弁護士の助言をもらい遺言書作成し、可能なら遺言の執行まで準備しておくとが大切です。

詳しくは、遺言・相続のページをご覧ください。⇒ 遺言・相続について

葬儀の希望を伝える

葬儀の希望を伝える

あなたが突然お亡くなりになられたとき、葬儀の準備は、遺されたご家族にとって、短期間で非常に多くのことを選択・決定しなければならず、心身ともに大きな負担となってしまいます。

そうならないために、ご自身が希望する葬儀の形式や規模、参列して欲しい人のリストなどを生前に決めておき、エンディングノートなどに記載しておくだけで、遺されたご遺族の葬儀の負担が大幅に軽減されます。
また、最近では、生前の元気なうちにご自身で葬儀を契約される、生前契約(予約)をされる方が増えているようです。

葬儀を生前予約しておくことで、本人の希望通りの葬儀をすることができますし、遺されるご家族の葬儀に関する負担を大幅に軽減することができます。
また、時間が限られているわけではないので、葬儀の内容や費用面などじっくり検討することが可能となります。

葬儀について、詳しくはこちらをご覧ください。⇒ 葬儀について

お墓の準備をする

終活をするにあたり、お墓の準備もも生前にしておくべきものの大切な一つとなります。

お亡くなりになられてからお墓を用意するのは、費用や時間的なことなど、遺族にとって負担が大きいものです。
また、残されたご家族があれこれ悩まないように、自分のお墓の準備をしておき、遺族の負担を少しでも軽くすることが大切です。

自分が入るために、生前に建立するお墓のことを生前墓(寿稜)と呼び、古来より中国では、「長寿」や「家内円満」「子孫繁栄」につながり、幸福を招くといわれ、縁起の良い こととされております。

なお、墓地、墓石、仏壇やお位牌などは、祭祀財産といい、一般の相続財産とは別に区分けされ相続税はかかりませんので、生前にお墓を建てることでご遺族への相続税の負担を軽減することができます。

お墓について、詳しくはこちらをご覧ください。⇒ 墓地・霊園について

介護や医療の計画を事前に決める

介護や医療の計画を事前に決める

将来、介護や医療が必要になる前に、病気などが原因でご自分で判断ができなくなった時に医療の判断を誰にして欲しいか、介護や介護の判断を誰にどのようにして欲しいかや、介護や見守りなどをどうして欲しいかなど、医療や介護についての希望を事前に家族へ伝えておき、事前に備えておくことが大切です。

具体的には、下記について備えておくといいでしょう。

  • 自分で判断ができなくなった時に、介護や医療、見守りなど、どうして欲しいか希望を伝えておく
  • 医療の判断を誰にして欲しいか、誰にどのように介護や介護の判断をして欲しいかなどの希望を家族に伝えておく
  • 臓器移植や検体についてや、延命処置などの看取りなど医療面でどうして欲しいかの希望を、家族に伝えておく。
    ※①~③は、家族で話し合うことが大切ですが、お話しづらい場合は、希望をエンディングノートに記載しておくといいでしょう。
  • 自分が希望する医療や介護を受けるために、どのくらいのお金が必要なのかを知る

介護や医療の計画を事前に決めましょう ※医療や介護についての希望は非常にデリケートな面もありますので、どうしても直接ご家族に伝えづらい場合は、エンディングノートなどに記載して伝える方法もあります。

詳しくは、介護のページをご覧ください。⇒ 介護について

生前整理をする

生前整理とは、自分が他界した後に遺された方(ご家族など)が、遺品の整理で苦労したり、相続問題や自宅問題などで困ったり争ったりしないよう、生前中に財産や住空間などで不要なものを整理することです。

生前整理には、次のようなメリットがあります。

<メリット1>
死後に、遺された家族が行う遺品整理の負担が軽くなります。
<メリット2>
生前に不要な財産などを処分することで、遺された家族の相続争いを回避できる確率が上がります。
<メリット3>
身の回りの物を整理・処分することで、自分の人生を振り返り、残された人生でしておきたい事が明確になってきます。

『生前整理』は、決してネガティブなものでなく、残された時間を有意義に過ごすために、本当に大切なものを確認し、尊重することなのです。

『生前整理』で家の中の物を整理するには労力・体力が必要なことと、財産の整理(相続や分配)に悩んだりして気力も必要となってきますので、生前整理は、まだ体力・気力のあるうちに、無理せず時間をかけてゆっくり行うことが大切となってきます。

また、『生前整理』の作業は1人でやることもありますが、家族や業者に頼むとスムーズに整理することができます。

なお、生前整理の対象は、不用品や財産などだけではなく、デジタル遺品(パソコン・スマートフォンのデータ、SNSのアカウント、電子口座など)や、人間関係もその対象となります。
遺される家族と共通の知人など、今後も関係が必要だと判断した人は残し、今後付き合う必要がないと判断した相手と縁を切っておけば、後々人間関係で余計なトラブルも起こりにくくなりますし、不要な交友費の削減にも繋がります。
しかし、切り過ぎると後から人間関係をやり直すことが難しので、人間関係の整理は物品の整理以上に慎重に行うことが大切です。

終の棲家となる住処の整備&選定をする

終の棲家となる住処の整備&選定をする

終の棲家をご自宅でと決めている方は、最期までご自宅で快適で安全に過ごせるようにするためには、ご自宅をバリアフリーにする必要があります。

バリアフリーにするために、住宅改修(住宅リフォーム)が必要な場合は、介護保険から住宅改修費を20万円まで支給してくれる「高齢者住宅改修費用助成制度」という介護サービスがあります。

利用条件は下記になります。

  • 要支援、または要介護1〜5の認定を受けた方となります。
  • 支給額は1人あたりに対して20万円となります。
  • 1つの住宅に複数の要介護者が居住している場合には、一人ひとり個別に支給限度額(20万円)が与えられます
  • 購入費用の1割(一定以上の高額所得者は2割または3割)を、対象者が負担する必要があります

>>>>詳細は、住宅リフォームのページをご覧下さい

最近では、終の棲家はご自宅ではなく、「家族に介護で迷惑をかけたくない」や「設備が整った施設だと必要な介護サービスを受けられるから安心」という理由で、「もし介護が必要となったときは、介護施設で終焉を迎えたい」という思いを持つ高齢者が増えてきているのも事実のようです。

介護施設への入居をお考えの方は、元気なうちに施設に出向き見学などされて、施設の状態や条件面など直接確認することと、入居候補は1件のみでなく複数の施設を比較検討されることをおススメします。

>>>老人ホームの各施設については、介護のページで解説しておりますのでご参照ください。

老後資金の確保もしておきましょう

家族に迷惑を掛けないためにも、葬儀やお墓など終活に必要な費用や老後の生活資金を計算して、事前に準備しておきましょう。
不動産をお持ちの方で、十分な貯えが無く年金支給額が低額の場合は、老後資金の用意のために、高齢者向けの融資制度「リバースモーゲージ」などの活用も検討してみましょう。

なお、リバースモーゲージを利用する際は、金融機関により条件等は異なりますので、1社のみでなく何社かに条件等確認することが大切です。

また、低所得者や高齢者を支援する福祉の制度で、都道府県の社会福祉協議会がおこなっている「生活福祉資金貸付制度」など自治体が行っている支援制度もありますので、そちらの活用も検討してみましょう。

リバースモーゲージについては、リバースモーゲージのページで解説しておりますのでご参照ください。

シニア保険で終活資金の備えをする

シニア保険で終活資金の備えをする

終活の一環として、現在ご加入の生命保険や傷害保険の見直しをしてみましょう。

現在加入されている保険で保障は十分でしょうか?

50歳以上の中高年を対象にしたシニア保険は、様々な新しい保障内容の商品も年々登場してきており、簡単な手続きだけで加入でき、保障対象も葬儀費用専門の「葬儀保険」や介護に備えるための「介護保険」など多様化してきておりますので、シニア保険に加入し備えることで、葬儀費用やお墓代などの死後の整理に必要となる資金や介護の費用などを確保することが可能となります。

ぜひ、今ご加入の生命保険を見直して、ご自身に万が一のことが起こった時、ご家族への負担を軽減するために、シニア保険により、介護に備える保障や、葬儀費用やお墓代などの死後の整理に必要となる資金を確保することを検討してみましょう。

シニア保険については、シニア保険のページで解説しておりますのでご参照ください。

旅行に出かけましょう

最近、終活の一環として「一度訪れてみたかった人気のスポット」や「思い出の場所」などを巡る旅行に出かける方が増えているようです。

旅先で美しい自然や情景と触れ合い、美味しいものを食べたりすることで、ストレスが低下し心の落ち着きを取り戻すことができます。
また、日常生活から離れ、自分の人生を振り返り、最期の日の迎え方についてなどをじっくり考えることも、終活を進める上で大切なことの一つです。

車椅子で行けるバリアフリー重視のツアーや、介護者や医師、看護師が同行する介助者付きの旅行プランも、国内・国外を問わず見受けられるようになりましたので、健康に不安かあったり介護が必要な高齢者も安心して旅行ができるようになりました。
また、旅行会社やメモリアム業者などが「終活ツアー」と称して終活体験ができるツアーを多く企画しているようですので、一度参加してみるのも良いでしょう。

旅行につきましては、旅行のページで解説しておりますのでご参照ください。



終活のスタイルは、人さまざまです 終活のスタイルは、人さまざまです。

しかし共通して言えることは、遺された家族への悩みや負担を軽減してあげることと、残された人生をより豊かに心安らかに過ごすために必要だということです。

何から始めてよいか分からない方は、まずは、エンディングノートを書くことから、始めてみてはいかがでしょうか?